青果売場のPOP成功事例と売れる表現術|商品別のキャッチコピー実例付き

販促・マーケティング

はじめに|青果売場は“言葉”で鮮度と魅力を伝える

スーパーマーケットの中でも青果売場は、もっとも“季節感”や“鮮度”を意識する売場です。しかし、ただ商品を並べただけでは、お客様に「その価値」はなかなか伝わりません。

実際、見た目は同じような大根やレタスでも、「今朝採れた」「火を通してもシャキッと」などの一言が添えられているだけで、手に取る人の数は変わります。つまり青果売場においてPOPは“言葉で売る”最強の武器なのです。

今回は実際に効果が出たPOP事例とともに、「どんな言葉が売上につながるか」「失敗しないPOPの作り方」まで解説します。

青果POPの基本構成と役割|「伝える・惹きつける・買わせる」3つの視点

青果売場は、商品そのものにラベルやパッケージがなく、視覚だけでは情報が伝わりにくいのが特徴です。
だからこそPOPには、「補足情報+購買理由+安心感」の3つをバランス良く盛り込む必要があります。
POP1枚で“売れる商品”に変わる可能性があるのが青果売場の魅力です。


商品の特徴を伝える

青果物は「見た目では伝わらない魅力」がたくさんあります。
たとえばキャベツなら「葉が柔らかくて巻きがふんわり」、ほうれん草なら「アクが少なくて使いやすい」など、一言で手に取るきっかけをつくることが重要です。

また、「どう使うか」を提案することで、お客様の想像力を刺激します。

● 活用例

  • この大根、火を通すとトロトロに!おでんに最適
  • 炒めてもシャキッと食感、小松菜の実力派
  • 皮ごと食べられる安心感、レンチンでもOK

鮮度や“今買う理由”を訴求する

青果POPでとくに強い訴求力を持つのが「鮮度」や「旬」の表現です。
“今日”の入荷、“今月だけの味”、“地元で採れた”などの情報は、お客様に「いま買う理由」を与えてくれます。

また、季節とリンクしたコピーは購買意欲を後押しします。

● 活用例

  • ○○農家さんから今朝届きました
  • 今が旬!この甘さは○月限定
  • 寒い日には根菜であったかスープを

単価UP・まとめ買いを後押しする

青果物は単価が安く、原価率も高いため、1人あたりの購入量をどう増やすかが利益確保のカギになります。
POPには、まとめ買いの安心感や、保存のしやすさ、用途の多さを伝える言葉を盛り込みましょう。

「買っても余らせない」と思わせられれば、お客様は自然と多く手に取ってくれます。

● 活用例

  • 冷蔵で5日間保存OK!まとめ買いにも
  • 1袋で2〜3品つくれる万能野菜
  • 1個128円→2個で240円にお得!

補足:POPで最も大切なのは「迷わせないこと」

お客様が商品を前にして考える時間が長いほど、購買率は下がります。
「これ、何に使えるんだろう?」「今日じゃなくていいかな」と迷った時点で、買わない理由が勝ってしまうのです。

だからこそPOPには「使い道」「保存方法」「買い時の理由」をシンプルに伝える工夫が必要です。
売場は無言でも、POPが“もう一人の販売員”として機能してくれます。


よくある失敗パターンと改善ポイント

失敗パターン改善ポイント
文字が多すぎて読まれないキャッチコピーは7文字前後+大きめ太字
魅力が伝わらない調理シーンや使い方を明記
手書きが雑すぎる枠や定規で整える、色数を抑える
商品名だけで情報が足りない「商品名+使い方 or 特徴」のセットで訴求

商品別!青果POPに使えるキャッチコピー文例集

葉物野菜(小松菜・ほうれん草・レタスなど)

  • 「朝採れシャキシャキ!」
  • 「おひたし、炒め物に万能」
  • 「鉄分を含む小松菜で栄養プラス!」

根菜類(大根・人参・じゃがいも・れんこんなど)

  • 「煮物にぴったりのやわらかさ」
  • 「ほくほく感、今が一番!」
  • 「皮ごと使えるから時短調理に」

果物(バナナ・りんご・みかん・いちご)

  • 「糖度●度!甘みしっかり」
  • 「おやつ・朝食にそのまま食べられる」
  • 「冷蔵庫で長持ち!まとめ買いもおすすめ」

季節ワード・提案型

  • 「○月だけの旬!」
  • 「地元農家さん直送」
  • 「お弁当に!」「夏バテ対策におすすめ」

成功事例|実際に売上が変わったPOPの工夫

春キャベツ:コピー変更で販売数2倍に

  • Before:「春キャベツ」
  • After:「葉が柔らかくて甘い 春だけの味わい」
    → 見切り削減・販売数増加

根菜類:保存期間の明記でロス削減

  • 「冷蔵で5日もちます」→ まとめ買い促進で廃棄率低下

バナナ:子ども向け訴求で販売数アップ

  • 「子どもも大好き!」→ ファミリー層のかごに自然に入る

POPで青果売場の“空気”を変えるポイント

  • 色使い: 緑・黄色・白をベースに、季節に応じた配色を
  • デザイン: 野菜や果物の手描き風イラストで親しみやすさを演出
  • 設置位置: 商品のすぐ近く、目線の高さが鉄則!

栄養や健康に関する表現の注意点|POPにも法的ルールがある

青果POPでよく使いたくなる「鉄分たっぷり!」「栄養満点!」という表現。
しかし、これらには法律に基づくルールがあるため、注意が必要です。


1. 避けるべきNG表現(根拠なし・効能的)

NG表現理由
鉄分たっぷり!栄養機能表示に該当の可能性。根拠が必要
貧血に効く医薬的な効能の暗示=景品表示法違反の恐れ
健康になれる!消費者庁のガイドラインに違反する恐れあり

参考資料→青果POP 安全な表現リスト


2. 許容される表現のポイント

  • 栄養成分を含む事実には言及してもよい
     例:「鉄分を含む小松菜で栄養プラス」
  • 食べ方・シーン提案にとどめる
     例:「お弁当におすすめ」「毎朝の習慣に」

3. 引用元(信頼できる公式情報)

食品表示法等(法令及び一元化情報) | 消費者庁
栄養機能食品について | 消費者庁
景品表示法関係ガイドライン等 | 消費者庁

POPはあくまで「伝える」「提案する」ためのもので、医薬的・断定的な表現を避けるのが基本です。
不安な場合は、「○○を含む」「○○として人気」といった曖昧さを残した表現がベターです。


まとめ|“言葉の力”で青果がもっと売れる

青果売場は「POPひとつ」で空気が変わります。
味も鮮度も目で見て伝えられないからこそ、“言葉”で伝えることが重要です。

お客様の不安を取り除く一言、魅力を伝える一言で売場が変わり、信頼にもつながります。
まずは1枚から。今日からあなたの売場に、伝わるPOPを取り入れてみませんか?

コメント

タイトルとURLをコピーしました