【在庫管理で利益UP」スーパーマーケット店長が実践する無駄を減らす7つの工夫

業務改善

はじめに|在庫管理は「儲かる店」の土台

スーパーマーケットの現場で働く中で、常に課題となるのが「在庫管理」です。

商品が売れすぎて欠品になるとお客様に迷惑がかかり、逆に売れ残ってしまえば廃棄や値下げで利益を圧迫します。

在庫管理とは単に「商品を置いておくこと」ではありません。

「必要な時に、必要な量だけ、ムダなく確保する」という経営の根幹に関わる仕事です。

この記事では、私が現場で体験した失敗や工夫を交えながら、スーパーマーケットの在庫管理について実践的な手法と意外な改善アイデアを交えて解説します。

1. なぜ在庫管理が重要なのか?

在庫管理がしっかりしていないと、スーパーマーケットの経営はすぐに傾きます。理由は以下の通りです。

• 過剰在庫で利益圧迫:売れ残った商品は廃棄や値引き対象に。利益が激減。

• 欠品でお客様離れ:「いつも買ってるのに無い」→ 他店へ流出。

• 売場が雑然とする:在庫過多で通路が狭くなり、買い物しづらくなる。

特に青果・精肉・惣菜などの生鮮品では、「日持ちしない」=即リスクになります。

また在庫は資産でもあるため、在庫が多すぎるとキャッシュフローにも悪影響が出ます。

2. よくある在庫管理の失敗例

現場で起きがちな在庫管理ミスには共通点があります。

【失敗1】「売れたから次も売れる」と思って大量発注

一時的な特売やイベント需要を見て、次週も同じ量を仕入れた結果、売れ残る。

→ 対策:“なぜ売れたか”の理由を分析し、次の予測に活かす。

【失敗2】在庫確認が感覚頼り

「たぶん在庫ある」「あれ?もう無かったの?」と曖昧な判断がミスを生む。

→ 対策:実棚チェックと記録の習慣化。

【失敗3】誰がどこを見ているかわからない

担当者ごとに見ている商品がバラバラで、重複発注やチェック漏れが起こる。

→ 対策:担当者を明確化&報告ルールの統一。

3. 現場でできる!基本の在庫管理ルール

在庫管理を安定させるには「基本ルールの徹底」が欠かせません。

① 発注は「売上・在庫・入荷予定」を見て判断

・売れ筋だけでなく、過去の販売データと入荷状況もチェック。

・曜日や天候の影響も予測に加える。

② 棚卸しを週1回以上実施

・「目視」「手書き」でもよいので、在庫の定点観測をする。

・担当者の交代時にも引き継ぎやすくなる。

③ 不良在庫のルールを作る

・「3週間売れていない商品は見直し対象」と明確に。

・売れ残りは見切り・廃棄・入れ替えの判断を早くする。

④ 商品の置き方で在庫量を見える化

・“フェイス数=在庫量”の目安として活用。

・前出し・整理をすることで「在庫の違和感」に気付きやすくなる。

4. 利益を守る在庫コントロールのコツ

在庫管理は単なる作業ではなく、利益に直結するコントロール業務です。

【コツ1】「回転率」を意識して発注

• 高回転商品:補充を早めに、切らさない

• 低回転商品:必要最小限で管理し、売場面積を減らす

→ “売れてる=善”ではなく“回転してる=善”という意識へ。

【コツ2】単品管理で「ムダな在庫」を発見

• 毎日の売上から、単品ごとの販売傾向を分析

• 「思ったより動いていない」商品を見極めて発注調整

→ これだけで月間数万円のロス削減になることも。

【コツ3】在庫のABC分析を活用

• Aランク(売上の上位20%):重点管理、在庫切れ厳禁

• Bランク:定期見直し

• Cランク:入替・終了候補

→ 売場の“選択と集中”に活かせるフレームワーク。

5. 意外と知られていない在庫管理の裏ワザ

現場で実践して「これは効いた!」というちょっとした工夫をご紹介します。

【裏ワザ1】納品箱のまま仮在庫スペースを作る

→ 売場に出す前に“一時保管ゾーン”を決めておくことで、在庫数の把握がしやすくなる。

裏ワザ2】“買い物カゴ”で日々の棚卸し

→ 商品をカゴにまとめて、朝番・夜番で残数チェックする方法。直感的で効果的。

【裏ワザ3】販促で在庫を“自然に”減らす

→ 売れ残りそうな商品はPOPでプッシュ。「旬の食材特集」などテーマで売ると回転率UP。

→ 値引き前にまず「売り切る工夫」をする姿勢が大切。

6. 在庫を見える化するおすすめツール

【紙ベース】

・在庫管理表(Excelや手書き)を使って1週間ごとに記録

・担当者別にファイル管理で共有しやすく

【デジタル】

・Googleスプレッドシート:リアルタイムで共有可能

・アプリ:スマホで在庫入力・通知(Zoho、Stockie、freee在庫など)

→ スプレッドシートに関しては、「在庫数」「発注日」「販売数」をまとめた簡易テンプレートを活用すると◎。

7. 在庫管理をチームで進めるために

在庫管理は1人の努力だけでは不十分です。スタッフ全体の意識が必要です。

【ポイント1】在庫に関する「報連相」を習慣化

• 気になる商品はメモ・ホワイトボードなどで共有

• 朝礼・終礼で“在庫気づき”をシェア

【ポイント2】パートさんにも在庫の視点を持ってもらう

• 売場の前出し・整理整頓を通じて、在庫の感覚を持たせる

• 「これ売れてるね」「今日は動き悪いね」の感想がヒントになる

→ 店舗全体で“在庫に目を向ける文化”を作ることが鍵。

8. まとめ|「攻め」と「守り」の在庫戦略

在庫管理は攻めの販促と守りの利益確保の両方を支える重要な仕事です。

• 欠品や過剰在庫を防ぎ、ムダな経費を削減

• 売上データや実棚チェックを使い、発注の精度を上げる

• スタッフ全員で、現場の気づきを活かすチーム運営

在庫は見えにくいコストであり、見直せば利益が残る体質に近づきます。

今日からでもできる一歩を踏み出し、在庫管理の質を上げていきましょう。

次回の記事では、「売れ筋商品の見つけ方とロスを減らす売場の作り方」について深掘りしていきます。お楽しみに!

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