廃棄ロスを半減する!現場で使えるスーパーマーケットのロス削減対策

数値管理

~スーパーマーケット店長の現場で培ったノウハウを公開!~

はじめに:売れ筋把握とロス削減がなぜ重要か

「気づいたら廃棄が増えている…」「売れてるはずなのに利益が残らない…」

そんな悩みを感じたことはありませんか?

スーパーマーケットでは、売上アップと同じくらい「ロス削減」が重要なテーマです。

とくに最近は物価の高騰や人手不足もあり、「売場の見直し」「発注の見直し」が急務になっています。

この記事では、現場ですぐに実践できるロス削減のコツを、「売場づくり・発注・在庫管理」の3つの視点から分かりやすく解説します。

「無理せずロスを減らしたい」「明日から使える改善策を知りたい」・・そんな店長・担当者の方は、ぜひ最後までご覧ください。

経済産業省の報告によると、2023年の小売業販売額は約163兆円に達し、その中でもスーパーマーケットは地域経済を支える主力業態の一つとなっています。【出典】経済産業省商業動態統計

本記事では、スーパーマーケット店長や店長を目指す方向けに、売れ筋商品を見極めるためのコツと、ロス削減につながる売場づくりの具体策を解説します。データに基づく分析手法から、棚割り・フェイス数の見直し、在庫管理の工夫、チェックリストなど、現場で即活用できる実践的なテクニックを網羅しました。今日からできる売場改善のヒントとしてぜひ役立ててください。

売れ筋商品を見極めるコツ

売上を伸ばすには、まず「何が売れているのか」「何があまり売れていないのか」を把握することが出発点です。ここでは、売れ筋商品を見極めるための代表的な方法を紹介します。勘や経験だけに頼らず、データや顧客の声を活用することで、売場の改善ポイントが見えてきます。

データ分析(POSデータとABC分析)で売れ筋を把握

売場の現状を正確に把握するには、POSシステムの販売データを活用しましょう。毎日の売上データを集計すれば、「どの商品がどれだけ売れたか」「売上構成はどうなっているか」といった事実が数字で見えてきます。感覚ではなくデータに基づいて判断することが、売れ筋を見極める近道です。

特に有効なのがABC分析です。これは、商品ごとの売上高や粗利高を高い順に並べ、累計構成比率によって商品をランクA・B・Cの3段階に分類する手法です。一般的には、累計売上構成比で上位約70~80%を占める商品群を「Aランク(最重要)」、次の15~20%程度を「Bランク」、残りを「Cランク」とします。こうすることで、自店の売上に大きく貢献している売れ筋商品(Aランク)と、あまり動いていない商品(Cランク)が一目で分かります。

上図は架空の売上データをもとにABC分析を可視化したパレートチャートの例です。棒グラフが商品別売上高、オレンジ線が累積売上比率を示しています。Aの破線(70%)より左側がAランク商品、赤の破線(87%)までがBランク、それ以上がCランクに相当します。ご覧のように、一部の主力商品が売上の大半を占めていることがわかります。このように分析すれば、「注力すべき商品」と「見直すべき商品」を客観的に把握できます。

ABC分析の結果、Aランクの商品は品切れ厳禁の主力商品です。重点的に在庫を確保し、販促も集中させましょう。Bランクは定期的に動向をチェックし、伸ばす余地があるか検討します。Cランクの商品は思い切って棚から外す検討も必要です。在庫を絞り込むか、入れ替え候補として扱い、売場スペースをより有効に使います。

補足: 記事末尾に、商品ごとの売上を入力するだけで自動でABC分類できる「売上分析シート(Excelテンプレート)」を用意しました。自店のデータで売れ筋分析をしたい方はぜひご活用ください。

顧客の声・ニーズからヒントを得る

売れ筋を見極めるにはデータ分析が基本ですが、顧客の声にも貴重なヒントが隠れています。店頭で寄せられるリクエストや問い合わせを蓄積していますか?たとえば「○○の商品は置いてないの?」という質問が何度も出るようなら、それは潜在的な売れ筋候補かもしれません。

また、お客様から直接聞けなくても、SNSの反応やアンケート結果、レジでの何気ない会話などから人気商品やトレンドを察知できます。地域の嗜好や流行も売れ筋に影響します。店長自身やスタッフが日頃から情報収集し、「最近○○がよく売れている」「△△を探す人が増えている」といった現場の声を共有しましょう。そうしたニーズに合った商品をタイムリーに導入できれば、新たな売上機会を逃さずに済みます。

ニーズを収集するコツ3選

  1. お客様カードやアンケートの設置: 欲しい商品のリクエスト欄を設ける。自由記入欄に書かれた要望は宝の山です。
  2. スタッフ間の情報共有ミーティング: 日々お客様と接するパート・アルバイトから「○○について聞かれた」などの報告をもらいましょう。
  3. 競合店の売れ筋チェック: 近隣スーパーやドラッグストアで目立つ商品や売場演出を観察する。他店で話題の商品は自店でも売れる可能性大です。

データに現れにくい「これから売れるかもしれない商品」を発掘するには、人の声に耳を傾けるアナログな方法も欠かせません。定性情報と定量データの両面から商品を見極めることで、より精度高く売れ筋を把握できます。

新商品の試験導入とPDCAで将来のヒットを探る

すでに売れている商品だけでなく、「今後ヒットしそうな商品」をいち早く見つけ出せれば、競合店との差別化につながります。そのために有効なのが、新商品の試験導入と結果検証のサイクルです。

話題の商品やメーカー新製品などを小ロットで仕入れてみて、期間限定のコーナーを作るなど試験的に販売してみましょう。ポイントは、最初は控えめな数でテストすることです。在庫リスクを抑えつつ、お客様の反応を見ることができます。販売期間中の売上データや、購入したお客様の層、売れ行きスピードなどを観察してください。

試験導入の結果、「これはイケる!」と思った商品は、本格導入を検討します。逆に反応が悪ければ、深追いせずに終了する判断も重要です。このようにPDCAサイクル(Plan計画→Do実行→Check検証→Act改善)を回しながら、将来のAランク候補を探っていきます。

新商品テスト販売を成功させるコツ3選

  1. 専用の目立つ売場を用意: 試験導入品はコーナーやエンド陳列で目立たせ、「新商品」「期間限定」などPOPを付けて注目度を上げる。
  2. 売上だけでなく利益も評価: 売価や原価にも注意し、単品粗利が確保できる商品かを確認する。いくら売れても利益が出なければ意味がありません。
  3. フィードバックを集める: 購入した方に「いかがでしたか?」と声をかける、SNSでレビューを募集するなど、生の評価を集め次の品揃え判断に活かす。

こうしたチャレンジを繰り返すことで、ヒット商品の兆しをつかみやすくなります。将来の売上を牽引する商品を育てる視点で、新商品とも上手に付き合っていきましょう。

ロス削減の売場づくり戦略

売れ筋が分かったら、次は「どう売場を作れば効率よく売上を伸ばし、ロスを減らせるか」を考えます。売場づくりの戦略によって、同じ商品でも売れ方が大きく変わります。また、適切な陳列と在庫管理によってムダな在庫や廃棄ロスを大幅に削減することも可能です。以下では、棚割りやフェイス数といった売場レイアウトの工夫から、在庫コントロールや値引きルールまで、ロス削減につながる具体策を紹介します。

棚割りとフェイス数をデータで見直す

棚割りとは、売場の棚に「どの商品をどの位置に何 faced (フェイス) 置くか」を決める計画のことです。なんとなく陳列しているように見えても、実は棚の上段・中段・下段、左右の位置には戦略があります。またフェイス数(一つの商品を前面に何個並べるか)も重要な指標です。これらを適切に最適化することで、売上を最大化しつつロスを抑えることができます。

まず基本として、売場のゴールデンゾーンである「目線の高さ」には、特に売りたい主力商品(売れ筋商品や高粗利商品)を配置しましょう。「目線の高さ=売上の高さ」という言葉があるほど、人間は見やすい位置にある商品を手に取りやすいものです。逆に、売り込まなくても定番で売れる商品は下段に、衝動買いを促したい商品はレジ横に、といったように配置場所で売上は変わります。

フェイス数(横×縦の陳列数)は売れ行きとのバランスが重要で、売れ筋商品には多めのフェイスを割き、そうでない商品は最小限にすることで在庫過多を防ぎます。

棚割り見直しの具体的な手順

  1. データ収集: 部門やカテゴリーごとに販売数量・金額データを用意します。できれば週次・月次で整理し、商品別の売上順位を出します(前述のPOSデータ分析やABC分析の結果を使います)。
  2. 棚配分の決定: 売上構成比に応じて、各カテゴリーや商品の棚スペースを配分し直します。売上上位の商品には棚の陳列幅を広く取り、下位の商品は縮小します。ここで重要なのがフェイス数の調整です。売上に比べてフェイス数が多すぎる商品はありませんか?売れ行きが鈍い商品に棚を占領させていると、その分在庫が動かずロスの原因になります。逆に人気商品は品切れ防止のためにもフェイス数を増やし、充分な在庫を置けるようにします。
  3. 棚割りプランの実行: 新しい棚割りレイアウトを実際の売場に反映します。商品配置を変更する際は、一度に全てを変えるのではなく、エリアごとに順番に行うと混乱が少ないです。陳列替え後は売上データを注視し、改善効果をチェックしましょう。
  4. 定期的な見直し: 棚割りは一度決めたら終わりではありません。季節やトレンドの変化、新商品の導入などに合わせて定期的に棚割りを見直すルールを作ります。例えば「3ヶ月に一度はABC分析を更新し棚割りを再検討する」「各部門で月1回は死に筋の商品を洗い出す」といった習慣化が大切です。

棚とフェイスの最適化によって、「売れる棚」に生まれ変わらせることができます。実際、ある店舗ではデータに基づきフェイス数を適正化した結果、在庫回転率が上がり、月間廃棄ロスが20%減少したケースもあります。

勘と経験だけに頼らず数字を根拠に配置を決めることで、売上アップとロス削減の両立が可能になります。

在庫管理を徹底して廃棄を防ぐ

売場づくり戦略の裏側で欠かせないのが在庫管理です。「必要な時に、必要な量だけ、ムダなく商品を確保する」ことが在庫管理の理想です。適切な在庫コントロールによって、売れ残りによる廃棄や値下げ損失(ロス)を大幅に削減できます。

まずは発注のルールを見直しましょう。ただ感覚的に発注するのではなく、販売データと在庫量、入荷予定を照らし合わせて発注数を判断します。同じ売れ筋でも平日と週末では動きが違うでしょうし、天候やイベントで売上が変動する商品もあります。過去の実績と経験を組み合わせ、「明日は雨だから客足が鈍りそうだ」「来週は連休だからまとめ買い需要が増えるかも」など予測を立てて微調整することが重要です。

在庫管理ではまた、定期的な棚卸しと在庫状況の見える化もポイントです。週に1回以上は担当者が棚をチェックし、ストアバックヤードの在庫も含めて実在庫を把握しましょう。最近はPOSで在庫連動する仕組みもありますが、最終的には現物を見るのが確実です。陳列棚を常に整理整頓し、商品を前出ししてフェイスを埋めておくと、「在庫が減ってスカスカになってきた」「逆に商品が減らず停滞している」といった異変に気づきやすくなります。フェイス数を在庫量の目安とみなし、例えば「フェイスが1列しか埋まらなくなったら在庫薄、4列以上埋まっていたら在庫過多」など基準を決めておくのも有効です。

さらに、不良在庫への素早い対処も欠かせません。「3週間動かない商品はテコ入れする」「1ヶ月売れないなら撤去する」など明確な基準を決め、長期間売れ残っている商品は早めに見切りを付けましょう。放置すればするほど処分時の損失が大きくなります。在庫には賞味期限だけでなく「鮮度」があります。常に新鮮な売場にするためにも、滞留在庫の整理は習慣づけましょう。

在庫をコントロールする為の具体的な改善案3選

  1. 回転率を意識した発注: よく売れる商品(高回転商品)は在庫切れしないよう早めに発注し、売場から欠かさない。一方で売れ行きの遅い商品(低回転商品)は必要最小限の発注にとどめ、棚スペースも最小化する。「売れている=善」ではなく「回転している=善」という意識を持つことが重要です。
  2. 単品管理の徹底: 毎日の売上から単品ごとの販売数をチェックし、「思ったより動いていない商品」を炙り出して発注調整します。例えば「先週投入した新作デザート、予想より減りが悪いな」と気づけば、その商品の発注数を減らす等の対応ができます。単品単位での微調整を積み重ねるだけで、月ベースでみれば大きなロス削減につながります。
  3. 在庫のABCランク分け: 先ほど売上分析でABC分類を紹介しましたが、在庫管理でも同様の発想が使えます。売上や回転率で商品をA/B/Cに分類し、A(重要商品)は欠品厳禁・最重点管理、Bは様子を見つつ定期補充、C(不人気商品)は在庫極小か取り扱い終了検討、といったメリハリをつけます。これにより、限られた資金とスペースを「選択と集中」させ、無駄な在庫を大幅に減らせます。

このように発注~在庫~売場の一連の流れをデータとルールで管理することで、「気づいたらバックヤードに在庫が山積み」「大量廃棄で利益が飛ぶ」といった事態を防げます。最初は多少手間でも、在庫管理の精度を上げることが強い店舗づくりの土台となります。

見切り販売とロス削減のコツを5つのポイント

惣菜のような日持ちの短い商品は特にロスが発生しやすいため、売場戦略が重要です。農林水産省の調査によれば、2020年の惣菜市場規模は約9.8兆円に達しており、家庭内調理の時短需要や高齢者世帯の増加により今後も安定した需要が見込まれます(出典:農林水産省 惣菜調査)。

こうした背景も踏まえ、惣菜部門では「当日20時に30%引き」「閉店間際は50%引き」など、明確な見切り販売ルールを事前に決めておくことが重要です。

どんなに工夫しても、スーパーマーケットではロス(廃棄や値引きロス)をゼロにすることは難しいものです。生鮮食品など賞味期限のある商品では、ある程度の売れ残りは避けられません。重要なのは、「ロスと上手に付き合うこと」です。ロスを最小化しつつ、必要な廃棄はコントロールして総利益を守る戦略を立てましょう。

値引きのタイミングとルールを「部門ごとに明確化」

• 例:精肉は賞味期限前日夕方に20%引き、当日は50%引き

• 惣菜は20時に一括で30%引きシール貼り

• 担当者任せにせず、マニュアルとして標準化することで対応遅れを防止

値引き販売は「告知」が重要

• POPや店内アナウンスで値引きの時間・内容を事前に伝える

 例:「本日19時からお惣菜が全品30%OFF!」

• 計画的に集客し、タイムサービスとして在庫処分を効率化

値引きの「やりすぎ」は逆効果になることも

• 常時値引きがあると、お客様は定価で買わなくなる

• 必要以上の割引は避け、「お得感」と「利益」のバランスを意識!

廃棄商品の「記録と振り返り」が重要

• 商品名・金額・個数を毎日記録し、ロスの原因を特定

• 例:雨が続いた週に惣菜のロスが急増 → 需要減の予測が甘かった

• PDCAを回し、発注量や品揃えの改善に繋げる

ロス=悪ではない!重要なのは「バランス」

• 多少の廃棄があっても、利益全体が出ていればOK

• 品切れによる機会損失や顧客離れの方がリスクが大きい

• 「売上最大化」と「ロス最小化」の両立が店長の腕の見せ所!

ロス管理も“戦略”で取り組む時代

ロス削減は“ゼロを目指す”だけでなく、適正ロスの範囲を見極めることが大切です。

データ・ルール・マニュアル・PDCAを活用し、チームで取り組めば無理なく成果が出せます。

現場で役立つツール:売上分析シート&商品陳列チェックリスト

最後に、店長業務の現場で使える便利ツールを2つご用意しました。売場改善の取組みにすぐ活かせるよう、売上分析シート(Excelテンプレート)と商品陳列チェックリストを以下に紹介します。必要に応じてダウンロードし、自店の分析・改善にお役立てください。

売上分析シート(Excelテンプレート)

売れ筋・死に筋の分析に使えるExcelテンプレートです。POSデータなどから抽出した商品別売上と粗利益を入力すると、自動で各商品の売上構成比や累積比率が計算され、ABCランクが分かるシートになっています。

• 項目例: 商品カテゴリ/商品名/期間売上金額/期間売上利益額/売上構成比(%)/累積構成比(%)/ABCランク

• 使い方: 任意の期間(例:直近1ヶ月)の商品売上金額を売上が高い順に並べて下さい。累積構成比に応じてA・B・Cのランクが自動判定されます。Aは累積70%まで、Bは87%まで、Cはそれ以上が基準です(必要に応じて値は調整可能)。

• 活用ポイント: Aランク商品リストを抽出して重点販売リストとして使ったり、Cランク商品を洗い出して棚から外す判断資料にしたりできます。またカテゴリー別にシートを分ければ部門ごとの主力商品分析にも応用できます。

このテンプレートを使えば、手計算の手間なく迅速に売上分析が可能です。ぜひ自店のPOSデータを貼り付けて、現在の売れ筋・死に筋を“見える化”してみてください。

商品陳列チェックリスト

売場づくりの改善点を見逃さないためのチェックリストです。日々の売場巡回や棚割り見直し時に、このリストを活用して陳列や在庫の問題点を洗い出しましょう。

  1. 目立つ場所に主力商品を配置しているか: ゴールデンゾーン(目線の高さ)やエンド棚に、売上上位の商品や利益貢献の大きい商品を配置していますか?
  2. フェイス数は適切か: 各商品のフェイス数は売れ行きに見合った数になっていますか?売れ筋は不足がないよう多めに、動きの悪い商品は最小限の陳列で十分です。
  3. 棚がスカスカまたは詰め込みすぎになっていないか: 在庫が減って棚に隙間が目立つ場合は前出ししてフェイスを埋める。逆に商品を詰め込みすぎてごちゃごちゃしていれば、陳列量を減らし見やすく整理しましょう。
  4. 関連商品をまとめて陳列しているか: 類似商品や一緒に使う商品(例:パスタソースとパスタ麺)を近くに配置し、ついで買いを促進していますか?クロスMDで売上機会を広げましょう。
  5. プライスカード・POPは整備されているか: 値札の付け忘れや誤表示はありませんか?また販促POPで商品の魅力を伝えられていますか?正確で魅力的な表示は販売促進の基本です。
  6. 消費期限・賞味期限の管理は万全か: 陳列商品の期限チェックを行い、古いものが前に来るよう入れ替えていますか(先入れ先出し)?期限切れ目前の商品は見切り販売の対象にしていますか?
  7. 品切れ商品が放置されていないか: 売り切れたまま棚が空になっていると機会損失になります。欠品に気づいたら速やかにフェイスを他の商品で埋めるか、在庫補充しましょう。
  8. 売場とバックヤードの連携は取れているか: 売場になくても在庫が後方に眠っていないか確認していますか?バックヤード在庫は定期的に見直し、売場に出すかクリアランスするか判断を。
  9. 清潔で安全な売場か: 商品のほこりや陳列棚の汚れを取り除き、常に清潔に保ちましょう。また通路に段ボールやカートが放置されていないか、安全面のチェックも忘れずに。

以上のチェック項目を定期的に確認することで、売場の問題点にすぐ気づき対応できます。店長自身が朝晩に一巡する際や、社員・主任に週次点検させるなどして、常に最適な売場状態を維持しましょう。

まとめ:売れ筋に集中し、売場を育てていこう

スーパーマーケット業界は、規模が大きい一方で利益率が低く、売場改善による微差がそのまま利益に直結します。農林水産省の「食品産業動態調査」によると、令和3年の飲食料品小売業の販売額は対前年比0.4%で横ばいに推移しており、安定市場の中でも“選ばれる売場づくり”が問われる時代です(出典:農林水産省 食品産業動態調査)。

現場では日々予期せぬことも起こりますが、基本の考え方はブレずに、「何が今お店の利益を支えているか」「どこに無駄が潜んでいるか」を常に意識しましょう。売場は一度作って終わりではなく、育てるものです。定期的にデータを見直し、商品構成や棚割りをアップデートし続けるお店は、必ず強くなります。

今日紹介したコツや戦略の中で、すぐに取り組めそうなことからぜひ実践してみてください。例えば、「今週の売上トップ10商品をチェックしてフェイス数を増やしてみる」「期限間近の商品があれば値引きルールに沿ってタイムセールする」といった小さな改善でも効果は積み重なります。現場での工夫とPDCAの積み重ねが、ロスの少ない“儲かる売場”への道を拓いてくれるはずです。あなたの店舗の売場力向上に、本記事の内容がお役に立てば幸いです。ぜひ明日からの売場改善にお役立てください!

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